吸光度プレートリーダー(または吸光度マイクロプレートリーダー)は、マイクロプレートのウェル内に分注された溶液サンプルに特定の波長の光を当てた時吸収・透過する光子を検出・定量する機器です。
蛍光や発光と比べて、吸光度は光学濃度(OD)として算出される絶対値になります。OD値は入射光と出射光値の対数比とされています。一方、透過率、サンプル溶液を通過する光の割合、も同様に使用できます。
吸光度マイクロプレートリーダーは、アカデミックなライフサイエンス分野、創薬やスクリーニング、臨床の研究所、合成生物学、食品や飲水の品質管理など、様々な分野においていろいろなアプリケーションに使用されています。
1回の測定1サンプルを測定するキュベット式の即手に比べて、吸光度マイクロプレートリーダーは、一度に多くのサンプルの測定が可能なので、スループットが非常に高いといえます。96ウェルプレートならば数秒、384ウェル・1536ウェルプレートなら数分で測ることが可能です。
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吸光度マイクロプレートリーダーとは?
光学系の観点からすると吸光度マイクロプレートリーダーは非常に複雑な構造になっています。そのシグナル特性から、照射用光源・波長選択用のファイバー・検出器とレファレンス用のチャンネルが必要になります。
サンプルは特定の強度で照射されます。光路に入る照射光量は、事前に分岐したレファレンスチャンネルの光量から算出されます。検出器は光源に対しマイクロプレートの反対側に位置します。全波長強度のうち、どの波長の光がどの程度プローブを透過したかを測定します。検出器まで透過しなかった光はサンプルに吸収されています。
ランバート-ベールの法則により、吸収された光の量はその濃度に比例していることが知られるようになってからは、透過光量は測定対象の濃度の計算に使用されています。検量線を用いて未知のサンプルの濃度を求めたりしています。これにより、核酸・タンパク・ELISAによる特定の分子の定量に使われます。
吸光度マイクロプレートリーダーは、スタンドアローンの専用リーダーとして、またはマルチモードマイクロプレートリーダーの一部として、蛍光強度や発光測定と組み合わせて使用することができます。
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もし、新しい吸光度リーダー(シングル・マルチ)を検討中なら、精度に著しく影響するいくつかのポイントに考慮する必要があります。
波長選択
波長選択の精度は吸光度リーダーには必須の確認項目で、検出器のタイプに依存します。
2つの検出器が一般的に使用されています:光電子増倍管(PMT)かCCDスぺクトロメーターです。
PMTベースのマイクロプレートリーダーは光源と測定wellの間で波長選択が求められます。光学フィルターかモノクロメーターによって、求める波長を抽出しプローブに照射します。この場合、求める波長の光のみがサンプルを通過しPMTに届き、測定されます。
スペクトルスキャン測定や特定波長域の測定をPMTベースの吸光度リーダーで測定するにはモノクロメーターが必要です。モノクロメーターで波長を選択して測定、別の波長で測定、これを連続して行っていきます。複数の特定波長での測定には複数のフィルターかモノクロメーターが必要です。
CCDスぺクトロメーター式のマイクロプレートリーダーは波長選択が必要ありません。サンプルを通過した全波長光はCCDスぺクトロメーターで各波長光に分解され検出されます。モノクロメーターと異なり、全波長光を検出します。つまり、単波長・複数波長・スペクトル測定のどの方法でも1回の測定が終了します。何回も連続して測定しなければいけないモノクロメーターよりも格段に短い時間で済みます。
アッセイやアプリケーションでスペクトル測定が必要な場合、CCDスぺクトロメーター式はモノクロメーター式とは比較にならないほど速く測定ができます。
対応プレート
BMG LABTECH社のシングル&マルチリーダーはUV~可視領域まで対応のスぺクトロメーターを用いた吸光度測定です。220~1000nmまで対応し、1wellあたり1秒以下の速さで測定します。
シェイキング&インキュベーション
吸光度リーダーを探すときは、あなたの研究の特性やどのように実行したいのかをよく検討することが必要です。一般的にはシェイキングとインキュベーションの有無がそれにあたります。酵素アッセイにおいて、安定した37℃で測定することは非常に重要なポイントになります。複数のシェイキングオプションは、最適なミキシングを選択できます。バクテリアや酵母の増殖(OD600)をモニタリングするアッセイでは、シェイキングにより効果的に酸素を送り込み、細胞分裂を促します。
キュベット対応
伝統的に、吸光度測定は光路長1cmのキュベットを用いて行われてきました。マイクロプレートベースの測定においては、この光路長が分注したサンプル量やプレートフォーマットにより変動します。水溶性の溶液を測定する場合は、ウォーターピークによる光路長補正でサンプル量に関係なく補正できます。このオプションがないならば、これまで通りキュベットで測定するか、SPECTROstar Nanoのようにキュベットポートがついたマイクロプレートリーダーを選択するか、LVisプレートのようにキャップ付きのキュベットを横にしてセットできるアダプターが必要となります。
データ処理用ソフトウェア
一般的に、マイクロプレートリーダー用のソフトウェアはあまり重要視されていません。ソフトウェアはリーダーの制御用のみで、データは生値を出力するだけというリーダーもいくつかあります。一方、非常に複雑なデータ解析を行うソフトウェアもあります。
包括的で使いやすく、柔軟性の高いソフトウェアは有益です。検出やデータ解析を簡素化することで、装置を最大限に活用することができます。
吸光度を利用したアッセイでよく使われるデータ処理として、自動ブランク補正・ELISAアッセイにおける検量線を作成しての濃度計算・ランベルト=ベールの法則に基づく260nm/280nm比計算・光路長補正・Km/Vmaxなどの酵素活性測定がウィサードに含まれています。
BMG LABTECH社のソフトウェアパッケージには、アッセイに特異的なプロトコルとデータ処理のテンプレートがクイックランアイコンとして登録されています。これらの専用ソリューションにより、マウスを1回クリックするだけでデータ取得から解析までを行うことができ、研究者は迅速かつ容易に実験を行うことができます。
BMG LABTECH社製吸光度プレートリーダー
マルチモードリーダーPHERAstar FSX, CLARIOstar Plus, VANTAstarTM, FLUOstar OmegaとシングルモードリーダーSPECTROstar Omega, SPECTROstar Nanoで吸光度測定が可能です。
当社のすべての吸光マイクロプレートリーダーは、高エネルギーキセノンフラッシュランプとCCDスペクトロメーターを搭載しています。
BMG LABTECHは、吸光度測定にフィルターやモノクロメーターの代わりにUV/visスペクトロメーターを採用した最初の企業です。 BMG LABTECHの超高速UV/vis分光器は、高エネルギーキセノンフラッシュランプでプローブを照射すると、特定の波長ではなく、全スペクトルを収集することができます。220~1000 nmの全波長を1~10 nmの分解能で、1ウェルあたり1秒未満で捕捉します。
また、FLUOstar Omegaではフィルター式の吸光度測定(PMTによる検出)が可能です。
Omega Series
SPECTROstar Nano
吸光度プレートリーダーで測定できるアッセイは?
吸光度は、ライフサイエンスのアプリケーションにおいて最も一般的な検出モードの一つです。そのため、シングルまたはマルチモードの吸光マイクロプレートリーダーがカバーできる様々なアプリケーションやアッセイタイプに対応する多数のキットや試薬が販売されています。いくつかの比色アッセイは、マイクロプレートリーダーで使用するためにプレート用にアレンジされたり、始めからプレート用に開発されたりしています。
最も一般的なアプリケーションの1つは、260 nmでのDNA/RNAの定量です。また、溶液中の特定のタンパク質を定量することも可能で、一般的には酵素結合免疫吸着法(ELISA)により行われます。タンパク質の定量には、いくつかの比色法も利用可能です。弊社のブログ記事「タンパク質の測定:適切な方法を見つけよう」では、Bradford、BCAなどのタンパク質定量アッセイの詳細な説明と、選択のヒントが掲載されています。
その他のアプリケーションとして、吸光マイクロプレートリーダーは「600 nmの吸光度」(OD600)によるバクテリアや酵母の細胞増殖の測定や、比色アッセイによる細胞生存率の測定に使用されたりします。
BMG LABTECH社製吸光度リーダーの測定例:
以下はBMG LABTECH社製吸光度プレートリーダーで行った測定例です:
吸光度測定のアプリケーションノートはこちら
BMG LABTECH社の 吸光マイクロプレートリーダーを選ぶ理由は?
BMG LABTECH社はマイクロプレートリーダーの製造を専門としており、30年以上にわたるマイクロプレートリーダー技術に関する専門知識を蓄積してきています。この知識は、私たちの機器が提供する結果に表れており、機種選定の重要な要素となっています。BMG LABTECHリーダーのユーザーは、感度・スピード・柔軟性において最高の結果を得ることができると信頼しています。さらに、当社のプレートリーダーは、長年にわたって最適なパフォーマンスを提供できるよう開発されています。当社の機器はドイツで開発・製造・テストされ、非常に堅牢で信頼できるように作られています。
必要なものから購入できる
各測定モードはモジュール化されているため、すべての蛍光プレートリーダーは異なる検出モードをオプション選択することができ、多くのアプリケーションをカバーします。また、いつでも機能のアップグレードが可能です。つまり、最初に使用しないであろうオプションを選択しておかなくても、必要になったときにそのオプションを追加することが可能なのです。
万全のサービスとサポート
私たちは、お客様に最高のサービスを提供するために努力しています。 すべての販売エリアの担当者は、高度な訓練を受けた技術スペシャリストで、ハードウェア・ソフトウェアおよびほとんどのアプリケーションに関する質問の両方をサポートすることができます。また、複雑なアプリケーションソリューションについては、ドイツ本社のアプリケーションスペシャリストのチームが対応します。
マルチユーザーソフトウェアパッケージ
すべての機器にはマルチユーザーソフトウェアパッケージが付属しており、ライセンスを購入することなく、リーダーを使用したいユーザーが必要とする数だけコンピュータにインストールすることができます。マイクロプレートリーダーのソフトウェアアップデートは、購入後12ヶ月間は無料です。