発光プレートリーダーの基本情報
発光プレートリーダー(または発光マイクロプレートリーダー)とは、マイクロプレート中の化学反応・生物化学反応・酵素反応によって放出される光子を検出し、定量することができる機器です。発光検出は、吸光度のような絶対値的な測定ではありません。発光シグナルの強度は、(蛍光のように)別日に行った測定値や、異なる機器による相対的な値です。そのため、発光プレートリーダーでは、試料から発せられる発光シグナルの単位は(RLU)を使用します。
発光プレートリーダーは、学術生命科学研究、創薬・スクリーニング、臨床検査、合成生物学、食品・水質モニタリングなど、さまざまな分野のアプリケーションで使用されています。
What is a luminescence plate reader?
発光プレートリーダーは、蛍光プレートリーダーと比較すると光学的に非常にシンプルな機器です。発光シグナルの性質上、励起光源や励起波長選択用光学系(吸光や蛍光の検出には必要)は必要ありません。必要なのは、試料が入った容器(プレート)・試料からのシグナルを検出器に送るための光学系、検出器(光電子増倍管)だけです。場合によっては発光波長を選択するための光学系が必要になります。
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発光マイクロプレートリーダーは、スタンドアローンの専用リーダーとして、またはマルチモードマイクロプレートリーダーの一部として使用できます。
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もし、新しい発光リーダー(シングル・マルチ)を検討中なら、精度に著しく影響するいくつかのポイントに考慮する必要があります。
感度
発光は、一般的に生物化学的または化学的な反応によって生成され、励起光を必要としません。そのため、吸光や蛍光と比較して、一般的に高い感度が得られまする。励起による試料とマイクロプレートの両方から光散乱や自家蛍光がないため、非特異的なバックグラウンドやノイズシグナルは蛍光強度と比較して極めて限定的です。
しかし、感度の良い発光マイクロプレートリーダーは、より良い統計量・複製間のばらつきの少なさ・反応するサンプルと反応しないサンプル間のより大きなデルタ(距離)を持つデータを提供する。さらに、感度が高ければ、品質の高い結果を得るために使用する試薬やサンプルの量を減らすことができ、結果的にアッセイのコストを削減することができます。
ダイナミックレンジ
マイクロプレートにおける発光反応は、通常、酵素反応を開始させるために基質をウェルに添加することに基づいています。一度反応が始まり、一定量の基質が酵素によって代謝されると、新しい試薬とサンプルを使用しない限り反応は停止し、再び反応を起こすことはできません。従って、マイクロプレート上の測定しなければならない全てのサンプルのシグナルを一度に取得することが必須となります。これは、アッセイを繰り返したり、試薬を消費したりするリスクを回避することになります。
1枚のマイクロプレート上に広範囲のシグナル強度のサンプルがある場合、1回の測定ですべてのサンプルを1つの設定で取得することが困難な場合があります。非常に明るいサンプルは、マイクロプレートリーダーの発光検出器を飽和する可能性があります。非常に暗いサンプルは、ブランクと区別がつかないことがあります。
広いダイナミックレンジを持つことで、1回の測定で非常に多様なサンプルを取得できます。また、正しい希釈倍率とゲインの比率を見つけるために何度も試行錯誤を繰り返すことによる試薬と時間の無駄を省くことができます。PHERAstar FSX, CLARIOstar PlusとVANTAstarに搭載されたEnhanced Dynamic Range機能は、市場最大のダイナミックレンジ(10の8乗桁)を実現し、非常に明るいシグナルと暗いシグナルを同一測定で調整なしに自動的に測定することを可能にします。
波長選択
発光プレートリーダーにおける波長選択機能(フィルターやモノクロメーター)は、特に基本的な発光アッセイを検出する場合には(吸光や蛍光検出のように)必須ではありません。しかし、複数のシグナルを利用するアプリケーションでは、発光波長の選択が可能であることは有益になります。波長選択は、フィルターやモノクロメーターを使用します。このオプションは、新しいアッセイ法の開発や複数の発光シグナルの検出を行う場合に有効です。さらに、バックグラウンドノイズを低減することにより、アッセイの最適化にも役立ちます。
フィルタの方が感度が高く、モノクロメーターの方が自由度が高いというのが一般的です。しかし、CLARIOstar PlusとVANTAstarに搭載されているLVF(Linear Variable Filter)モノクロメーターは、その例外です。LVFモノクロメーターはフィルターのような性能を持ち、CLARIOstar Plusはモノクロメーターベースのマイクロプレートリーダーとして市場で最も高感度なものとなっています。LVFモノクロメーターは、蛍光測定や発光測定に使用することができます。さらに、モノクロメーターは発光スキャンを行えます。
さらに、2つのチャンネルで二波長の発光を同時に検出する機能は、BRETおよびNanoBRETアッセイに非常に有効です。このオプションは、測定時間を半減させ、データのばらつきを抑えることができます。同時デュアルエミッション(SDE)検出は、LUMIstar OmegaとPHERAstar FSXで利用可能です。
対応可能なプレート
基本的な発光測定は、96ウェルプレートで行うのが一般的です。しかし、多検体で使用する場合や、試薬や時間を節約したい場合は、384ウェルや1536ウェルなどのフォーマットも使用可能です。ただし、使用する発光プレートリーダーが、使用予定のマイクロプレートフォーマットを読み取ることができることを確認してください。また、吸光、蛍光、発光の検出には、それぞれ異なるタイプのプレートが必要です。高密度マイクロプレートを使用する場合は、光のクロストークも考慮する必要があります。
クロストーク
光クロストークは、あるウェルの測定中にマイクロプレート上の隣接するウェルからのシグナルも検出器に拾われることで発生します。これにより、測定結果が不正確なものとなります。クロストークは特に高密度プレート(384ウェル以上)を使用する場合に発生します。クロストーク光にはウェルの上部から入り込むものとマイクロプレートのプラスチック壁越しに入り込む2つの種類があります。
CLARIOstar Plus・VANTAstar・PHERAstar FSXなどのハイエンドの発光プレートリーダーは、隣のウェルから来る光を物理的にブロックすることができます。また特定のアルゴリズムによりプラスチックの壁を透過した光の量を計算し、実測値を補正することができます。
フラッシュ&グロー測定
発光プレートリーダーをお探しの場合、実行したいアッセイの性質を考慮する必要があります。発光アッセイはそのカイネティックによって、フラッシュ反応とグロー反応に分けられます。フラッシュ発光は、短時間(通常は数秒間)に非常に明るいシグナルを発する反応です。対してグロー発光は長寿命で、数分間発光状態が続きますが、フラッシュ発光と比べるとシグナルはそれほど強くはありません。
グロー発光はどの発光プレートリーダーであっても検出することができますが、フラッシュ発光には試薬インジェクターが必要です。マイクロプレートのウェルに試薬を手動で分注する方法では、短寿命のシグナルは検出される前に消失してしまい、反応のピークを見失う危険性があります。試薬注入機能を搭載した発光プレートリーダーでは、自動的に試薬を分注するので、1つのウェルでシグナルの挙動を測定し、次のウェルに移動、試薬注入、測定を実行することができます。
試薬インジェクターは、デュアルルシフェラーゼレポーター(DLR)アッセイにも有効です。ここでは、1つのサンプルから2つのルシフェラーゼの活性をプレートリーダーで順次測定し、目的の遺伝子とトランスフェクションコントロールの転写を測定できます。試薬インジェクター付きの発光プレートリーダーを使用すれば、どちらのアッセイも4秒程度で測定できます。
BMG LABTECH社製発光プレートリーダー
発光測定は発光プレートリーダーのLUMIstar® OmegaとマルチモードリーダーのPHERAstar® FSX・ CLARIOstar® Plus・VANTAstarTM・FLUOstar® Omegaで測定ができます。
当社の全ての発光プレートリーダーはデュアルルシフェラーゼレポーターアッセイの認証を受けており、発光に最適化された低ノイズPMT(光電子増倍管)と高精度な試薬インジェクターを装備することが可能です。
CLARIOstar Plus
VANTAstar
Omega Series
発光プレートリーダーで測定できるアッセイは?
発光プレートリーダーは、シングルモード、マルチモード(吸光度・蛍光など)ともに、酵素反応・デュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子(DLR)・ルミネセンスカルシウムフラックス・化学発光ELISAなど、幅広いアッセイに対応可能です。
発光プレートリーダーは、細胞生存率・細胞毒性・アポトーシスアッセイ・シグナル伝達・代謝の分析にも有用です。細胞内のマイコプラズマ汚染も発光の手法で測定することができます。
プロキシミティやタンパク質間相互作用もBRETやnanoBRETによって測定することができます。
BRET (Bioluminescence Resonance Energy Transfer) は、生物発光をするドナーと蛍光を発するアクセプターの間の共鳴エネルギー移動に基づくデュアルレポーター発光検出アッセイです。ドナーは生物発光により光子を放出するため、アクセプターの蛍光の励起光は不要です。
発光測定のアプリケーション例:
BMG LABTECH社製発光プレートリーダーによる発光測定のアプリケーション例は以下の通り:
- AN 300: Verifying SPARCL performance on the CLARIOstar equipped for reading at time of injection
- AN 271: Dual Luciferase Reporter (DLR) assay certification
- AN 266: Promega's multiplexed cell viability and apoptosis assays
発光測定のアプリケーションノートの一覧を見る
BMG LABTECH社の 発光マイクロプレートリーダーを選ぶ理由は?
BMG LABTECH社はマイクロプレートリーダーの製造を専門としており、30年以上にわたるマイクロプレートリーダー技術に関する専門知識を蓄積してきています。この知識は、私たちの機器が提供する結果に表れており、機種選定の重要な要素となっています。BMG LABTECHリーダーのユーザーは、感度・スピード・柔軟性において最高の結果を得ることができると信頼しています。さらに、当社のプレートリーダーは、長年にわたって最適なパフォーマンスを提供できるよう開発されています。当社の機器はドイツで開発・製造・テストされ、非常に堅牢で信頼できるように作られています。
必要なものから購入できる
各測定モードはモジュール化されているため、すべての蛍光プレートリーダーは異なる検出モードをオプション選択することができ、多くのアプリケーションをカバーします。また、いつでも機能のアップグレードが可能です。つまり、最初に使用しないであろうオプションを選択しておかなくても、必要になったときにそのオプションを追加することが可能なのです。
万全のサービスとサポート
私たちは、お客様に最高のサービスを提供するために努力しています。 すべての販売エリアの担当者は、高度な訓練を受けた技術スペシャリストで、ハードウェア・ソフトウェアおよびほとんどのアプリケーションに関する質問の両方をサポートすることができます。また、複雑なアプリケーションソリューションについては、ドイツ本社のアプリケーションスペシャリストのチームが対応します。
マルチユーザーソフトウェアパッケージ
すべての機器にはマルチユーザーソフトウェアパッケージが付属しており、ライセンスを購入することなく、リーダーを使用したいユーザーが必要とする数だけコンピュータにインストールすることができます。マイクロプレートリーダーのソフトウェアアップデートは、購入後12ヶ月間は無料です。