マルチモードプレートリーダーの基本情報
マルチモードマイクロプレートリーダー(またはマルチモードプレートリーダー、マルチモードリーダー)は、試料が発する様々な光子を2つ以上の異なる技術で検出・定量化することができる実験機器です。
マルチモードマイクロプレートリーダーは、2つ以上の検出モードで動作することが可能です。一般的には、吸光度・発光・蛍光を組み合わせたものをいいます。さらに、時間分解蛍光(TRF)・時間分解FRET(TR-FRET)・蛍光偏光(FP)・AlphaScreen/AlphaLISAなど、より高度な検出モードも対応できるものもあります。
シングルモードのリーダーと比較してマルチモードのリーダーは、わずかなコスト増で複数の測定を行えるという利点があります。さらに、マルチモードリーダーはラボのベンチスペースを節約し、特に複数の測定モードで測定が必要なアッセイやアプリケーションに対応することができ、スループットと効率を向上させることができます。
今日、多くの技術や試薬キットが利用できるようになり、ライフサイエンス研究から創薬まで、様々な分野でマルチモードマイクロプレートリーダーを利用することができるようになりました。生物学・細胞学・生化学・薬学研究・創薬など、学術的・工業的な研究用途だけでなく、環境研究・食品・化粧品産業などでも使用されています。
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マルチモードマイクロプレートリーダーとは?
マルチモードマイクロプレートリーダーは、マイクロプレート内での様々な生物学的および化学的反応をもとに対象を定量化することができるため、様々な研究分野で使用されています。これらのアッセイは、異なる検出モード(主に吸光度・蛍光・発光)において、一般的に220~900 nmの広い波長範囲で行われます。光学的には、非常に複雑な機器で、様々な技術を駆使して、異なる条件で発生するシグナルをを効率的に検出できるようになっています。
マルチモードマイクロプレートリーダーは通常、1つまたは複数の光源・励起光選択用の光学系(フィルター・モノクロメーター・スぺクトロメーター)・発光光選択用の第2の光学系および検出器(通常1つまたは複数の光電子増倍管(PMT))を含んでいます。PMTは蛍光や発光によって発生した光子を電気に変換し数値化する装置です。検出器で得られたシグナルが試料を定量化するための値となります。
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マルチモードマイクロプレートリーダーは、複数のアッセイやアプリケーションを実行する研究室にとって有益です。異なる検出モード(主に吸光度・蛍光強度・発光)を1台の汎用性の高いプラットフォームに統合されているため、特にスペースが限られているラボでは最適な選択肢であり、最もコストパフォーマンスに優れた機器と言えます。とはいえ、装置の性能は結果の質に大きく影響するため、考慮すべきいくつかのポイントがあります。
感度
最高感度のマルチモードマイクロプレートリーダーは非常に低いシグナルを読み取ることができ、アッセイウィンドウ内でよりよいシグナルの分解能を得ることができます。これは、ネガティブコントロールとポジティブコントロールが近い(アッセイウィンドウが狭い)場合に特に重要なポイントです。ポジティブコントロールとネガティブコントロールの間での変化を識別するためには、高感度リーダーが必須です。
スピード
高密度プレート(384・1536・3456ウェルプレート)を1日に何百枚も測定するようなハイスループットスクリーニングには、高速検出が可能なマルチモードマイクロプレートリーダーを推奨します。タンパク質間相互作用・薬物結合・セカンドメッセンジャーによる細胞シグナル伝達などの迅速な動態現象を測定する場合には、フラッシュアッセイ用の高い時間分解能も必要となります。また、複数のウェルでのカイネティック測定の場合(例:心臓組織におけるCa2+過渡現象の定量的測定)にも、測定間隔を短くするために測定のスピードがポイントになります。
柔軟性
研究作業が異なる技術に基づく2つ以上の検出モードを並行して実行する必要がある場合、またはニーズが時とともに変化する場合、マルチモードマイクロプレートリーダーがが推奨されます。それ以外には検出モードの切り替えや組み合わせが可能であること・トップリーディングとボトムリーディングを簡単に切り替えられること・吸光度・発光・蛍光ベースの検出で自由に波長を変更できることなどが求められます。
波長選択
一般的に、マルチモードマイクロプレートリーダーには波長選択機能が必須である。これはプレートの両方からの光散乱や自家蛍光によって引き起こされる非特異的なバックグラウンドやノイズを低減するのに役立ちます。そのためにフィルターやモノクロメーターが採用され、通常220-900 nmの範囲で選択できるようになっています。
フィルター式の方が感度が高く、モノクロメーター式の方が自由度が高いというのが一般的です。しかし、CLARIOstar PlusとVANTAstarに搭載されているLVF(Linear Variable Filter)モノクロメーターは、その範囲外といえます。LVFモノクロメーターはフィルターのような性能を持ち、CLARIOstar Plusはモノクロメーター式のマイクロプレートリーダー市場で最も高感度な機器となっています。LVFモノクロメーターは、蛍光強度や発光の検出に使用することができます。さらに、このモノクロメーターでは、蛍光測定での励起&蛍光および発光測定の発光スペクトルをスキャンをする機能を備えています。
さらに、マルチモードマイクロプレートリーダーで2つの検出を行える機能は、FRETやTR-FRETによるタンパク-タンパク相互作用の研究または蛍光偏光やALPHAテクノロジーアッセイに非常に有益です。このオプションは、測定時間を半減し、データのばらつきを低減します。同時デュアルエミッション(SDE)検出は、PHERAstar FSXには標準搭載され、LUMIstar OmegaとFLUOstar Omegaではオプションとして選択できるようになっています。
対応するプレートフォーマット
基本的には96ウェルプレートでの測定が一般的ですが、1サンプルを複数ウェル用意する場合や貴重な試薬や時間を節約したい場合には、384ウェルや1536ウェルのフォーマットを使用することもできます。ただし、使用するマルチモードマイクロプレートリーダーが、その使用予定のプレートフォーマットを読み取ることができるかを確認してください。また、吸光度・蛍光・発光の検出には、それぞれ異なるタイプ(色)のマイクロプレートが必要です。
試薬インジェクター
マルチモードマイクロプレートリーダーをお探しの場合、実行したいアッセイの性質を考慮する必要があります。吸光度・蛍光・発光モードでの酵素カイネティクスやリアルタイムセルベース反応には、試薬インジェクターの使用が有効です。試薬を手動でウェルに分注することは、重要な反応データを失う危険性があります。特にフラッシュ反応の場合、探している事象が検出される前に既に消失している可能性があります。試薬インジェクターを装備した当社のマルチモードマイクロプレートリーダーでは、ウェルへの試薬注入とシグナル検出を同時に行い、次のウェルへ移動することができます(例:蛍光色素を用いた細胞内カルシウムのモニタリング)。
環境制御
長時間の生細胞を必要とする研究においてマルチマイクロプレートリーダーとインキュベーターの間でマイクロプレートを行き来させたくない場合、選択したリーダーが内部ガス環境を制御できるか確認する必要があります。
Omegaシリーズ・VANTAstar・CLARIOstar Plusには、当社のAtmospheric Control Unit(ACU)を搭載することができます。ACUは、生細胞を扱うアプリケーションに理想的な環境を提供します。ACUは、マイクロプレートリーダーチャンバー内のO2およびCO2ガスレベルを独立して調節します。攪拌機能および温度インキュベーションと組み合わせることで、ACUは標準的な細胞増殖から低酸素アッセイまで、あらゆるセルベースアッセイのための真の「ウォークアウェイ」ソリューションを提供します。
モジュール性とアップグレート対応
マルチモードプレートリーダーを検討する際は、モジュール式で後からアップグレードが可能か確認が必要です。アップグレード可能ならば、現在の必要性を満たすだけでなく、将来のアッセイ要件も満たすことができ、将来のラボのニーズと共に進化し、新しいプロジェクトやアプリケーションの変更をサポートすることができます。
さらに、モジュール式のマルチモードプレートリーダーは、研究室がその時点で必要なものだけを購入することができるので、導入コストを削減することができます。将来、追加機能や検出モードが必要になった時、いつでもアップグレードすることが可能です。
BMG LABTECH社製マルチモードマイクロプレートリーダー
BMG LABTECH社は、基本の吸光度・蛍光・発光に対応したフィルターベースのリーズナブルなOmegaシリーズから、柔軟性の高いLVFモノクロメーター式のCLARIOstar®PlusやVANTAstarTM、ハイエンドでハイスループットスクリーニング専用PHERAstar®FSXまで、様々なタイプのマルチモードマイクロプレートリーダーを提供しています。
当社のマルチモードマイクロプレートリーダーはすべて、高エネルギーキセノンフラッシュランプ・各種アッセイ用フィルターもしくは光学モジュールまたはLVFモノクロメーター™・低ノイズPMTもしくは長波長対応の拡張PMTを搭載しています。(構成はリーダーによる)
CLARIOstar Plus
VANTAstar
Omega series
マルチモードプレートリーダーで測定できるアッセイは?
マルチモードマイクロプレートリーダーは、検出の柔軟性が高く、様々な研究分野における吸光度・蛍光・発光のアッセイやアプリケーションに対応します。さらには、核酸やタンパク質の定量・遺伝子レポーターアッセイ・HTRF・BRETなどにも対応します。
例えば多くのユーザーが使用する場合・プロジェクトごとにアプリケーションが変わる場合・異なる検出モードで並行して測定する必要があることが分かっている場合に推奨されます。
吸光度・蛍光・発光・時間分解蛍光(TRF)・TR-FRET・蛍光偏光・AlphaScreen を測定可能なマルチモードマイクロプレートリーダーは、ライフサイエンスにかかわるnon-RIのアッセイのすべてを測定することができます。以下は、BMG LABTECH マルチモードマイクロプレートリーダーによるアプリケーション例です。
BMG LABTECH マルチモードマイクロプレートリーダーによる測定例:
BMG LABTECH マルチモードマイクロプレートリーダーによるアプリケーション例:
マルチモードプレートリーダーを用いたアプリケーションについて詳しくはこちら
なぜBMG LABTECH社マルチモードプレートリーダーを選ぶのか?
BMG LABTECH社はマイクロプレートリーダーの製造を専門としており、30年以上にわたるマイクロプレートリーダー技術に関する専門知識を蓄積してきています。この知識は、私たちの機器が提供する結果に表れており、機種選定の重要な要素となっています。BMG LABTECHリーダーのユーザーは、感度・スピード・柔軟性において最高の結果を得ることができると信頼しています。さらに、当社のプレートリーダーは、長年にわたって最適なパフォーマンスを提供できるよう開発されています。当社の機器はドイツで開発・製造・テストされ、非常に堅牢で信頼できるように作られています。
必要なものから購入できる
各測定モードはモジュール化されているため、すべての蛍光プレートリーダーは異なる検出モードをオプション選択することができ、多くのアプリケーションをカバーします。また、いつでも機能のアップグレードが可能です。つまり、最初に使用しないであろうオプションを選択しておかなくても、必要になったときにそのオプションを追加することが可能なのです。
万全のサービスとサポート
私たちは、お客様に最高のサービスを提供するために努力しています。 すべての販売エリアの担当者は、高度な訓練を受けた技術スペシャリストで、ハードウェア・ソフトウェアおよびほとんどのアプリケーションに関する質問の両方をサポートすることができます。また、複雑なアプリケーションソリューションについては、ドイツ本社のアプリケーションスペシャリストのチームが対応します。
マルチユーザーソフトウェアパッケージ
すべての機器にはマルチユーザーソフトウェアパッケージが付属しており、ライセンスを購入することなく、リーダーを使用したいユーザーが必要とする数だけコンピュータにインストールすることができます。マイクロプレートリーダーのソフトウェアアップデートは、購入後12ヶ月間は無料です。